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創出できる株式譲渡損

2010年11月19日


本日のデイリーコラムは『創出できる株式譲渡損』です。

合法損金の創出プランの紹介

親会社から子会社へ現金を寄附し、その後子会社から親会社への配当としてその寄附金相当額の現金をそのまま戻し、その後、子会社株式を他に譲渡すると、その寄附金分だけ株式譲渡損が膨らみます。
最近、こんな節税スキームが税務専門誌で紹介されています。この10月1日から施行されている新グループ法人税制の解説の中にです。

寄附金の新規定と株式簿価修正という新規定

新グループ法人税制では、法人による完全支配関係にある会社間で寄附・贈与が行われた場合、贈与法人・受贈法人いずれにおいても、そのことによる損益はないものとすることになりました。寄附金の損金不算入と受贈益の益金不算入です。
同時に、贈与をして蛻(もぬけ)の殻にしてしまった子会社を売却して、売却損を計上するような手法、を排除するための「子会社株式簿価修正」という節税封じの新規定も用意されました。

節税封じが節税新手法を誘う

立法時の想定の裏をかくのが冒頭のスキームです。益金にならない贈与を受けて膨らんだ子会社の株式簿価を新規定により膨らませておいた上で、次に配当によりペシャンコにしてしまって、ペシャンコの会社をその会社の時価で売却すると、膨張させた株式簿価は自ずと大きな譲渡損を創出する原因となる、ということです。
税務専門誌では、節税の抜け穴がこんなところにあることに立法当局が気付いていないことを不思議としています。

規制する規定はないのか

寄附された金額を配当で戻すことへの制限は特に存在せず、通達や政省令で勝手に規制規定を設けることも不可能です。規制があるとすれば、「同族会社の行為計算否認」規定の発動だけのようです。
しかし、この程度の抜け穴については、当局は最初から想定の範囲にしている、という人もおります。また、誰でも気付く抜け穴なら、それの利用は租税公平主義には反しないし、多くの利用が想定されるなら異常な法形式とも言えなくなるので、「同族会社の行為計算否認」規定の発動も困難となってしまいそうです。