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銀行救済の為には異常立法も

2011年1月28日


本日のデイリーコラムは『銀行救済の為には異常立法も』です。

欠損金の繰越控除とは

赤字(欠損金)が出たら、翌期以降の黒字(課税所得)と相殺できる税務上のルールがあります。これを欠損金の繰越控除といいます。
繰越の期間は、日本は世界的に最も短く、以前は5年間とされていました。

銀行救済のための欠損金税制改正

7年前、金融庁は税制改正要望として、銀行破綻を救うために、銀行については赤字の繰り越しの期間を5年から10年に延長することを求めました。その結果、平成16年度の税制改正では、欠損金の繰越控除期間が5年から7年に延長され、さらに大幅な損失を計上していた過去3年前に適用期間を遡及することになり、要望の10年が実現しています。総予算枠70兆円と言われた公的資金の投入で銀行救済もされていたので、さすがに銀行のみの優遇措置とするのははばかられてか、制度は全ての企業を対象とすることになりました。

銀行の法人税の納付状況

公的資金投入後、大手銀行は順調に業績を回復していたところ、平成21年3月期決算では、世界的な金融危機の影響を受け、多くが再び赤字転落しました。ただし、平成22年3月期の決算では、赤字から急回復し、全大手銀行が黒字に再転換しました。
とはいえ、三大メガバンクグループ傘下の6銀行についてみると、過年度の繰越欠損金があった為にここ10数年に亘り法人税をまったく払っていません。
過去、東京都が、業を煮やして銀行課税を企図したものの、敗訴になり、徴税額に対しては巨額の利子を付して返却させられたということもありました。

今後の見通し

そうは言うものの、大手銀行グループの今期の決算見通しは、平成18年、19年3月期の過去最高水準近くになろうという勢いで、一斉にというわけには行かないでしょうが、今後何年かのうちには、一つ一つと法人税の納付が再開されることになりそうです。
そういうことを踏まえてか、税制改正大綱では一転して、繰越欠損金の控除額を8割に制限する(大企業限定)としています。銀行には優しくする必要が終わったあとで、8割を5割に、そして中小企業にもと、枠が拡がることのないように、監視していく必要があるように思われます。

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