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解釈通達という制度創設

2011年5月31日


本日のデイリーコラムは『解釈通達という制度創設』です。

平成23年4月18日(法令解釈通達)

この4月18日に国税庁長官の発した通達で「東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱い」というのがあります。(法令解釈通達)と銘打っていますので、法令を解釈したもののはずです。
「災害損失特別勘定への繰入額の損金算入」というタイトルで、被災資産の修繕等のために要する費用の見積額の引当計上を認める、とするものです。
しかし、解釈の対象とすべき法律政令に思い当たるものはありませんでした。

阪神淡路大震災時の震災通達

阪神・淡路大震災のときに発せられた通達で「震災通達の取扱いにより災害損失特別勘定に繰り入れた金額は震災損失の額に含める」としたことを承けているようです。
税法での費用の損金算入の原則は債務の確定なので、原状回復のための修繕費等は修繕を行った事業年度に計上することになります。
しかし、この通達では、被災資産の修繕等のために要する費用で1年以内に支出すると見込まれるものについては、災害損失特別勘定に繰入れ、被災事業年度の損金の額に算入することを認める、としています。

損金算入等の規定内容

①災害損失特別勘定として経理すること

②申告書に「災害損失特別勘定の損金算入に関する明細書(別紙様式1)」の添付をする

③1年経過後に特別勘定の金額の益金算入をする

このような規定振りですが、法律の規定ではないので、申告調整による損金算入が否認されることはないと思われます。
近畿税理士会神戸支部発行の「激震」p179でも、阪神震災時の実務例として同じことを言っているので、当局の対応は柔軟なのだと思われます。

平成23年度(第61回)税理士試験公告

今夏の税理士試験での「解答に当たり適用すべき法令等は、平成23年4月18日(月)現在施行のものとする」と公告されています。4月27日に国会通過した震災特例法は対象外にして、この通達を対象にする、との意思が感じられます。法律より通達を尊重するのが行政内部の空気なのでしょう。
租税法律主義は憲法の要請であるにもかかわらず、通達による事実上の立法が、相変わらず罷り通っていることを強く感ずるところです。

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