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租税公平主義と給与所得控除

2011年6月 2日


本日のデイリーコラムは『租税公平主義と給与所得控除』です。

平成23年度税制改正において、給与収入が2,000万円以上の役員等の給与所得控除額は、収入金額に応じ、上限の245万円から徐々に減額され、4,000万円を超えると、一律125万円の控除とする内容に改正される予定です。

1.役員の給与所得控除を制限する理由

給与所得控除は、「勤務費用の概算控除」と「他の所得との負担調整」の2つの性格を有するとされています。法人役員については、一般従業員に比べ、勤務態様が必ずしも従属的でないと考えられ、給与の自己決定度合いが高いこと等を踏まえると、特に高額な役員給与については、「他の所得との負担調整」部分が過大となっていると考えられる、というのがその理由です。

2.他の所得との負担調整とは

では、「他の所得との負担調整」部分とは何か、細かくみると、①勤労性所得であり担税力が資産性所得等より低い、②給与所得の捕捉率が他の所得より高い、③給与所得は支払い毎に源泉徴収されるのでその利息相当分の調整である(京都地判昭和49年5月30日)とされています。
この意味では、高額な役員報酬に限って負担調整部分が過大であるとする上記理由は、少しずれているように思います。
一人オーナー会社の役員給与の二重控除問題が役員全体に飛び火したということかと思いますが、例えば、外資系企業や上場企業などで高額な報酬を受けている従業員と取扱いを区別する合理性はないはずです。担税力に即して公平に課税するとされる租税公平主義に反すると言えるでしょう。

3.ではどう考える?

給与所得とは、俸給・給料・賃金・歳費および賞与ならびにこれらの性質を有する給与をいう(所得税法28条1項)とされ、雇用関係またはそれに類する関係において使用者の指揮・命令のもとに提供される労務の対価を広く含む概念で、非独立的労働ないし従属的労働の対価と考えられます。
法人役員は雇用契約ではなく委任契約とされ、勤怠管理もされませんので、厳密には給与所得とは言えないでしょう。 
したがって、今後は、所得の種類を分け、その中で公平な課税方法を検討しても良いのではないでしょうか?

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