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建物賃借権の譲渡、転貸の基礎知識

2011年6月20日


本日のデイリーコラムは『建物賃借権の譲渡、転貸の基礎知識』です。

貸主の承諾が必要

建物賃貸借において、借主が賃借権を譲渡し、又は、第三者に転貸するには貸主の承諾が必要です。契約書に書かれている場合は勿論、書かれていない場合も法律上そう定められております。

承諾が必要か、それが問題だ

もっとも、様々な実態からこれが貸主の承諾が必要な賃借権の譲渡あるいは転貸にあたるのか、判断に迷う場面もあります。ここで、典型事例をご紹介します。

会社・法人の経営者交替、合併等

会社・法人の構成員や取締役・監査役等機関に変動があっても、法人格自体の変動がない限りは賃借権の譲渡には当たりません。株主の譲渡や役員交代により実質的に経営者が交替しても同様と解されます。これに対し、合併は賃借権の譲渡にあたると解されています。

間貸し(間借り)

賃借建物の一部について転貸ありといえますので、貸主の承諾が必要です。

出店契約(コーナー貸し、ケース貸し)

デパートやスーパー等が建物の一部を特定の販売業者に使用させて、その業者の名前で一般顧客に販売させ、売上高に応じて定められた金額をその販売業者に支払わせる形態です。その実態は様々で一概に言えませんが、占有場所の独立性、期間の長さに照らして、独立した占有と評価できれば転貸と言いうると思われます。

経営委任、経営委託、業務委託

飲食店でよく第三者に賃借建物の運営を任せる場合があります。また、「転貸」逃れの方便の場合もあります。これもケースバイケースですが、第三者の計算で行われ、賃借人の運営に対する容喙がなく、第三者から一定金額が賃借人に支払われれば、独自の占有として転貸だと解されます。

承諾がなくても、解除されるとは限らない

承諾なくして賃借権を譲渡し、又は転貸した行為は契約解除事由となります。もっとも、裁判所は、形式上は契約違反でも、信頼関係を破壊するようなものでない場合は、解除を認めていません。今回の事例で、占有の独立性が低い、占有規模が狭い、期間が短い、特段貸主に不利な影響が及ばない等の場合には信頼関係破壊なしとして解除が否定されうるものと解されます。

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