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懲りないリヒテンシュタイン

2012年6月 5日


本日のデイリーコラムは『懲りないリヒテンシュタイン』です。

脱税情報を買ったドイツ情報機関

脱税情報の告発は、アメリカでは賞金ものであり、日本でも内部告発は、最近では保護すべきものとされています。
しかし、脱税情報を漏洩したとして、国際手配されている民間人がいます。リヒテンシュタイン国籍で、リヒテンシュタインの主要銀行の一つのLGT銀行の元行員で、容疑は同国秘密保護法違反による顧客情報窃盗罪です。
情報漏洩先はドイツの情報機関で、メルケル首相の了解の下、400万ユーロ(約7億円)以上の対価が支払われました。

ドイツでの脱税大捜査線

この話は2008年のことで、このLGT口座情報により、多くの強制調査、脱税の摘発が行なわれ、多額の追徴課税がなされたようです。その中に日本郵政社長に相当するドイツ郵政のツムウィンケル会長がおり、会長辞任を余儀なくされたと報じられています。
リヒテンシュタインはスイスの隣にある小国で、正式名称は「リヒテンシュタイン公国」。公用語はドイツ語。人口はわずか3万人強です。スイスとの結びつきが強く、軍事・外交などはスイスが代行しています。
タックスヘイブンとしても知られ、ヨーロッパオフショアの最後の砦と自認しており、税金免除を目的とした外国本店企業のペーパーカンパニーが3万以上あり、これらの定率法人税が税収の40%に及び、この結果、一般の国民には直接税(所得税、相続税、贈与税)がありません。

情報はドイツにとどまらず

LGT顧客口座情報は約1400人で、ドイツ以外の顧客の情報も含まれ、独当局は租税条約情報交換協定に基づく、無償提供を表明していました。
これにより、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、スウェーデンが調査を始め、各国に波紋を拡げました。
さらに、この事件が、アメリカのスイス銀行への匿名召喚状(John Doe Summons)が発せられる端緒になりました。
日本の国税当局も情報を受け取っています。その中に、学校法人「帝京大学」の故・元総長名のリヒテンシュタイン金融資産15億円がありました。遺族はその存在を知らなかったので、申告された相続財産の中にこれが無かった、ということが当時マスコミで報じられていました。
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