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実例経営シリーズ 事実をつかむ強い意思

2013年5月14日


本日のデイリーコラムは『実例経営シリーズ 事実をつかむ強い意思』です。

危うく倒産しかかった、消費財メーカー経営者の経験談ですが、皆様の経営のヒントになれば幸いです。

自分で事実をとらえる

連日残業をかさね工場は出荷に追われていたときに、代理店の社長から「手形のジャンプをおねがいしたい」と申し出が総務にありました。「特約店さんからの支払が遅れているので、...」との報告を受けた経営者は、代理店の社長から、特約店の名前と所在地を聞いて、営業部長といくつかの特約店を訪ねて、倉庫を見せてもらいました。  
そこには山積みされた自社製品があり、「これじゃ支払が遅れるのもあたりまえだ!」と営業部長の顔を見ました。

末端の需要が増えているのか

更に調べると、出荷グラフは月度出荷額の8割以上が月末締切直前2日間で占められる異常さを示していました。営業部長の言い訳交じりの報告をさえぎり、社長は「代理店や特約店に無理に押し込んで営業成績を上げるのではなく、消費者が実際に買う方法を考えて営業成績を上げろ。」と指示をしました。経営者が幹部従業員からの報告ではなく事実を自らつかむことで仮需が抑えられ、会社の危機を防ぐことができた例です。社長は振り返って「あのまま生産を続けていたら、倒産していたかもしれない」とおっしゃっておりました。

あのキリンビールでさえも

10年余り前、社長が特約店を回ると自社ビールが山積みされて、無理な販売をしていたことが歴然としていたそうです。その時、荒蒔社長は首位転落を覚悟し顧客本位の原点に返ったそうで、直接聞いた第一線の社員の声も判断材料になったと日経新聞が報じていました。

歴史に学ぶのは、今だ!

中小企業景況調査(2013年1-3月期)によると、「円安による原材料価格や燃料費の上昇などの影響が考えられ、今後の動向を注視していく必要がある」としています。先行手配や在庫積上げが想定される中、経営者は良い数字の報告を聞いて安心する誘惑に負けず、自社製品に対する消費者の実需をとらえて経営することが求められています。企業が組織として見かけの数字を追わないよう、社長が強く先導することの大切さを教えています。

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